2018年08月28日

「ちびまる子ちゃん」を活用したまちづくり

ちびまる子ちゃん1
ちびまる子ちゃん2
 
【「ちびまる子ちゃん」を活用したまちづくり】
 
「ちびまる子ちゃん」の作者・さくらももこさん(53歳)が
2018年8月15日に亡くなられたとのこと。
 
さくらももこさんは、
静岡市、静岡商工会議所などが進める
「ちびまる子ちゃんを活用したまちづくり」に
多大な貢献をされています。
 
2012年9月26日に
静岡商工会議所・静岡事務所5Fホールで開催した
「第3回ふれあいフォーラム」での
前・㈱ドリームプラザ代表取締役の杉谷行雄さんの講演
「ちびまる子ちゃんを活用したまちづくり」の要旨と
静岡鉄道㈱に取材した
「ちびまる子ちゃんラッピング電車」の記事を
この機会に再度ご紹介し、
さくらももこさんのご冥福をお祈り申し上げます。
 
 
 
静岡商工会議所報2012年11月号掲載記事
 
「ちびまる子ちゃん」を活用したまちづくり
 
前・㈱ドリームプラザ 代表取締役
杉谷行雄さん

 
★清水港日の出地区に賑わいを取り戻す
 
エスパルスドリームプラザは
清水港開港百年を迎えた1999年10月、
日の出地区に賑わいを取り戻す目的で
鈴与㈱が開業。
 
2012年5月に
来館者が
5千万人を超えました。
 
毎年
400万人のお客様を
迎えています。
 
来館者の割合は、
静岡・清水から55%、
県外から20%、
外国からは0・5%、
約2万人の観光客が
見えています。
 
年間
300のイベントを
開催しており、
2011年の新春には
静岡・清水商工会議所合併記念行事として
ポップサーカスを開催し、
6万人が楽しみました。
 
★「中心市街地活性化計画」への参画
 
清水地区中心市街地の
最近15年間の推移を、
1991年を100としてみると、
人口が81、
商店数が60、
通行量は30と
大きく減少しています。
 
「中心市街地活性化計画」では、
こうした現状をふまえて、
①日の出地区、
②清水駅、
③新清水駅
の3地区を核に、
来街者が
清水のまちを回遊したくなる計画を策定し、
まちづくりを進めています。
 
日の出地区では、
港・海、
富士山・景観、
まぐろ・寿司
などの清水区の資源を活かした、
憩いの場、
くつろぎ空間の創出、
イベントの拡充、
商業施設の魅力向上
に取り組んでいます。
 
そして、
まちおこしの決め手として、
アニメキャラクター「ちびまる子ちゃん」を活用した
地域一体のまちづくりに、
静岡商工会議所、
静岡市、
静岡市まちづくり公社
とともに取り組んでいます。
 
★台湾、韓国、中国から誘客
 
ドリームプラザでは、
2008年から
外国人の誘客活動を展開してきました。
 
その結果、
外国人観光客は、
富士山静岡空港が開港する前は、
台湾からのお客様だけでしたが、
2009年6月の開港後は、
韓国からのお客様が多くなり、
東日本大震災後は、
韓国からのお客様が減り、
中国からのお客様の来館が増えました。
 
しかし、
2012年9月以降に来館した
台湾と中国からのお客様のバスは
9台と、
尖閣諸島問題の影響を受けています。
 
★アニメキャラを使ったまちおこし事例
 
次に
アニメキャラクターを使った
まちづくりの事例を
紹介します。
 
東京都葛飾区の
亀有地区商店街協議会では、
工場跡地への大型店の出店に対抗して、
亀有在住の漫画家・秋本治氏の作品
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
の登場人物の銅像を、
葛飾区の支援を得て、
2006年から
11体を設置し、
スカイツリーと絡めて
PRしています。
 
東京都世田谷区の
桜新町商店街では、
1985年に
「サザエさん」の作者
「長谷川町子美術館」が開館。
 
2009年、
東急・田園都市線の
桜新町駅から美術館までの道を
「サザエさん通り」と名づけ、
街路、
配電盤、
マンホール蓋などに
サザエさん一家のイラストを
使用しています。
 
鳥取県境港市の
駅前の商店街では、
1989年から
境港市出身の漫画家・
水木しげる氏と連携した
「水木しげるロード」構想をスタート。
 
現在は
ブロンズ像139体
(1体100万円でスポンサーを全国募集)
のほか、
妖怪列車(JR)、
鬼太郎交番(警察)、
妖怪ポスト(郵便局)、
妖怪倉庫、
鬼太郎フェリー(汽船)
等のタイアップ企画が実現。
 
2010年には
372万人が訪れました。
 
★まる子まるごとミュージアム構想
 
さて、
ちびまる子ちゃんを活用した
まちづくり構想ですが、
JR清水駅周辺を
情報を広げる拠点「まる子のゲートウェイ」、
日の出周辺を
体験を深める拠点「まる子の世界」、
入江地区を
漫画・アニメの背景にふれる拠点
「まる子誕生の地」
にしたいと考えています。
 
まる子の誕生日は
5月8日。
 
そこで、
2011年5月8日に、
JR東海さわやかウォーキング
「ちびまる子ちゃんゆかりの地清水めぐり」
を実施しました。
 
コースは、
清水駅
→江尻宿
→魚町稲荷神社
→稚児橋(巴川)
→入江商店会
→清水入江小学校
→追分羊かん
→鉄舟寺
→龍華寺
→梅蔭寺
→次郎長生家
→船宿「末廣」
→エスパルス通り
→ドリームプラザ。
 
ゴールの「ちびまる子ちゃんランド」では、
バッジを差し上げ、
「まるちゃんのお誕生会」を開催。
 
参加者は2174名で、
170名が小学生以下でした。
 
入江地区の皆様には、
この企画に賛同していただき、
おしるこ、
冷茶、
甘酒のサービス、
追分羊かんの試食、
入江小学校の校庭の開放、
トイレ対応など、
参加者をもてなしていただきました。
 
また、
2012年の七夕まつりでは、
ちびまる子ちゃんの飾り付けをした
33団体に
「まる子ちゃん賞」を贈りました。
 
2012年8月11日~9月30日には、
清水駅前銀座商店街、
清水銀座商店街、
入江商店会、
清水港町商店街、
ちびまる子ちゃんランド
の5か所をまわる
「ちびまる子ちゃんスタンプラリー」
を実施しています。
 
2013年春は
「まるちゃんの静岡音頭」を、
みんなで踊りたい
と準備しています。
 
こうしたまちづくりは、
長期的な積み重ねが必要です。
 
予算は
静岡市のご協力をいただいて、
ちびまる子ちゃんをきっかけに、
清水・静岡に来ていただける人が
増えることを願って
取り組んでいます。
 
 
 
静岡商工会議所報2016年7月号掲載記事
 
ちびまる子ちゃんラッピング電車
 
静岡鉄道㈱常務取締役
(肩書は取材当時)
大杉淳さん
 
清水では
「ちびまる子ちゃん」を活かした
中心市街地活性化計画に
取り組んでいます。
 
この計画に
当社も協力できないかと考え、
2014年から
エスパルスドリームプラザ「ちびまる子ちゃんランド」、
さくらプロダクション、
日本アニメーション
の皆様と協議を始めました。
 
その結果、
テレビアニメ放映25周年や
「ちびまるこちゃんランド」開館15周年を記念し、
2015年7月から1年間、
「ちびまる子ちゃんラッピング電車」を走らせることが
実現できました。
 
2015年12月23日に公開された
映画『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』の
映画公開日からは、
まるちゃんによる車内放送を開始し、
つり革にも、
まるちゃんの顔や友蔵の心の俳句などを掲出。
「ちびまる子ちゃんラッピング電車運行記念ルルカパサールカード」や
オリジナルグッズを
新たに発売しています。
 
テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」が人気の
台湾では、
ちびまる子ちゃんランドを訪問した後、
ラッピング電車に乗るツアーが企画され、
新静岡駅からラッピング電車に乗り、
車内放送を楽しむお客様の姿が、
台湾のテレビで放送されました。
 

「ちびまる子ちゃんラッピング電車」は
契約を延長し、
2019年7月31日までの運行継続が
決定しています。
http://train.shizutetsu.co.jp/rapping-train.html#maruko_wrapping
ちびまる子ちゃん3
  

Posted by 静岡商工会議所広報室 at 20:47Comments(0)広報誌